開発中のプレッシャーは昨年以上でした。Finian MaynardをはじめF2のフォーミュラーチームはボードの種類や風力に左右されない優秀なレーサー達ですが、彼らみんなが実用的なボードの開発に協力してくれています。
スクープロッカーラインの改良に多くの時間を費やしました。しかしある年、パフォーマンスを上げるために全てを変える必要はないと気付きました。
だから抵抗を少なくするようにフラットノーズを残しました。しかしフラットスクープロッカーラインはフロントと中央部にフラットパネルがあるパラレルダブルコンケーブでないとできません。チョップ時にもソフトでコントロールされたライディングが要求されます。このようなボトム形状ではない類似のスクープを持つボードはコントロール性を失い、チョップ時にスローダウンします。
ボトム全体にかすかなV字形状にすると、キレのあるイージーなマニューバビリティが得られました。
最終的には上り性能を増やすようにしました。テイルのアウトラインを直線のようにするのが一番簡単なやり方です。しかし多くの他メーカーのボードを調査した結果、まっすぐなアウトラインにすると反対にスピードが落ち、特に踏み込みの時にマニューバビリティが損なわれます。
ですから、やや丸いテイルアウトラインにすることにしました。しかし、角度を増やすにはテイルの幅を5%広くしなければなりませんでした。
結果として加速時やトップスピード時でも微風時でもパフォーマンスも良くなりました。
レイルはテイルからマストトラックの端にかけてかなりシャープになり、上りの時のパフォーマンスとウォーターリリースがうまくできます。テイル部分でレイルを厚くし、踏み込み時のグリップ感をさらに良くしました。そして風のない所でも上り性能をキープできます。
中央部のレイルの厚い部分では安定性を増し、マニューバー時でも大きなセイルのコントロールができます。
レイルの前部はべべルを付け、波に突っ込んだり航跡につかまることがないでしょう。
新しいデザインのデッキには深い2本のコンケーブを付けました。これによりボードがやや堅い感じがします。マストトラックは谷の部分にあり、セイルが回転する位置を水面に近付けボードの安定性を増しました。
テイル/バックフットの位置を山の高い位置にし、踏み込み時や加速時により強く体重がかけられます。
幅広のテイルにするとさらに大きなテイルカットアウトが必要になりますが、これにより、ウエット部分が少なくなり、チョッピーなコンディションでも安定し、加速し続けられます。
開発は順調に進みました。でも100%満足できるボードではありませんでした。確かに、上り性能は良くなりました。スピードや他のことも改良しました。しかしまだ何かが足りませんでした。
昨年1年間でボードの下に空気を送る実験を何度も試みました。しかし思うような結果は得られませんでした。つまりもっともっとパフォーマンスをよくしたかったのです。
しかし数多くの経験と知識からウインドサーフィンにおける歴史的な改良を見つけ出したのです。それがブースターパイプです。
テイルカットアウトはボードのパフォーマンスに影響します。しかし、セイリング中にカットアウトが真空状態となり、空気がカットアウトを通って消えるので限界があります。
反対の力がカットアウトのエッジの周りを包みます。それがパフォーマンスを制限するのです。
この真空状態を回避するためにデッキからカットアウトにかけて通路/パイプを付けました。これにより、空気の流れはトップから入りこみカットアウトから抜け出します。反対の力が消えるのです。
結果は驚くのもでした。次のようなテストをするとはっきりと判るはずです。まずパイプを閉じた状態で2人で並んでセイリングしスピードを評価します。次に片方のボードのパイプを開けてください。そうすると後ろから押されるような感じで走り出します。残されたもう一人はスピードの違いに驚くでしょう。
ここに本当の改良が生まれました。より良い加速、高いトップスピード、コントロール性そして大きなサイズのフィン。
ブースターパイプは今ここに限界を破りました。 |